LOGY GAMES の山本氏に、今まで実践してきたベストプラクティスやこれから世界に進出してゆく日本のクリエイターへのアドバイスを伺いました。

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2015年に初めて Kickstarter に触れたことをきっかけに、4年間で20件ものプロジェクトをローンチしてきた山本光夫さん。タイルや木の素材で丁寧に作られた数々のアブストラクトゲームは、海外ゲーマーからも根強い支持を得ています。

20回のプロジェクトすべてにおいて試行錯誤し続けたという山本さんは、Kickstarter を通して海外ファンとのコミュニケーションの面白さだけでなく、自分のクリエイターとしての得意分野にも改めて気づいたそう。その豊富な経験と知識を活かし、Kickstarter ワークショップの講師として新規クリエイターの指導も精力的におこなっています。

今回はそんな山本さんに、日本のボードゲームクリエイターの祭典・ゲームマーケット会場内で Kickstarter の効果的な活用法、そしてはじめてのクリエイターに向けてのアドバイスを聞いてみました。

まず、僕の場合は平均キャンペーン期間である1ヶ月はもたないんです。キャンペーンを1ヶ月間やる人はイベントなどを実施できる、企画力のあるクリエイター。

極端な話、キャンペーンはスタートダッシュの3日と最後の盛り上がりを見せる2日だけで十分と思っています。ただ、休暇などで見れない人がいるかもしれないので、それでは短すぎるかなぁと。ボードゲームの場合は BoardGameGeek から公式のクラウドファンディングニュースが毎週日曜日に配信されていて、Kickstarter と Indiegogo のどんな小さなプロジェクトでも掲載されるので、それをうまく利用しています。

僕のプロジェクトのタイムラインは、だいたい12日程度。まず、木曜日にローンチする。そうすると3日後に BoardGameGeek からニュースが流れる。次の日曜日まではバッカーの要望に対応したり、細かい質問に答えたりする。そして、最後の2日間の前にまた BoardGameGeek からニュースが配信される。その後押しを受け、最後の2日間を終えるというスケジュールにしています。

僕は外注せずに自分で作っているので、バッカーの要望にも即時に対応できて1週間でいけるけど、初めてのクリエイターや自分で作ってないクリエイターは、その時間をちゃんと計算する必要があるでしょう。

Kickstarter が推奨するツールのひとつ「プロジェクトアップデート」をフルに活かしてます。一回立ち上げたプロジェクトはずっと生きている。アップデート機能を使って記事を書くと、コミュニティ全員に記事が届く。僕の場合は20回プロジェクトを立ち上げている。1つのプロジェクトのファンが100人だったとしても20回もやるとコミュニティが2000人に膨らんでいるでしょう?

 今では、ローンチ前の下書き段階のプレビューページもコミュニティに公開して、フィードバックをもらっています。内容のアドバイスをもらう側面もありますが、このタイミングでアップ日を告知できるというPR効果もある。これをやっておくと、僕の達成額は10万円程度なので1日で達成することが多い。だから個人的にはローンチする1週間前が勝負だと思っています。

初めてのクリエイターの場合は、もう少し前の1ヶ月くらいからしっかりと準備しておいた方がいいと思います。僕は時間をかけても効果的にできなかったので、どこかで切り上げて小さなプロジェクト何度も立ち上げることが合っていると判断し、1年間に4回プロジェクトを立ち上げる方式をとっています。

とにかくタイムリーに速いことが大切。バッカーへの返答が遅いと、むこうはバックする気が失せてしまう。バックしたいと思って質問してきた人の「ここってこう?」に対してはイエスかノーだけでも返事をすれば、バックしてくれる。下手でもいいし、Google翻訳で調べるから「少し待って(Wait a minute)」でもいい。日本人が英語が得意でないことは理解してもらえる。誠心誠意込めてやればそれで問題ないんです。

以前、バッカーに「僕らは、英語の実力でプロジェクトの評価をしている訳ではない」と言われたことがある。だから、みなさん安心してください。

でも、自己紹介動画だけは頑張って英語でやった方がいいよ!字幕で英語のフォローを入れればいいし、拙くても一生懸命の方がクリエイターの思いが伝わるからね。

発送方法に関しての一番のおすすめはゆうちょの国際eパケット。安いし、ネットで登録もできるし、配送伝票も印刷してくれて、インボイスもついてくる。ただ、2キロまでしか送れません。書留郵便なのでトラッキングが可能で、バッカーのメールアドレスが分かれば、発送状況が自動的にメールに届きます。

2キロ以上のものはEMSになるけど、料金が高いね。さらにインボイスもややめんどくさい印象です。だから、僕はなるべく軽くしてeパケットで送るようにしています。

とにかくコストを下げたい場合はSAL便があります。eパケットの1/3くらいの料金ですが、トラッキングがないのと、日数がかかる。でも、バッカーには「そんなに急いでない。むしろ山本のゲームは他のプロジェクトよりも早いほう」と言われることが多い(笑)。なので、ここ1年はSAL便を使うようにして、発送方法もアップグレードできる方法をとっています。

また、梱包も大切で、中身も箱も壊れてないパーフェクトコンディションで送るように心がけています。

僕がずっと言っているのは身の丈にあったプロジェクトにするってことなんです。

大金を夢見て無理して消えていったクリエイターを見てきました。50個、100個作るのと1000個、10000個作るのは全然やり方が違う。50個なら自宅で保管できるが、1000個だと倉庫と配送スタッフを用意しなければならない。そのためのコストをちゃんと想像できているか?初めてのクリエイターはそれを想像しにくい。

例えば、イギリスのクリエイターが初めてのプロジェクトを上げていた。プロトタイプをすごくキレイに作っていたし、リワードもその送料も安かったので心配していた。プロジェクトが成功して100人くらいから支援が集まった。でも、やっぱり配送は遅れるし、届いたものはプロトタイプのクオリティが担保されていなかった。プロトタイプを1つキレイに作るのと、100個以上同じクオリティで作るのはちょっと違う。それ以降、彼のページからのアップデートはないから、懲りちゃったのかもしれないね。

だから、小さくてもいいからプロジェクトを立ち上げて、すでてを経験することをおすすめします。そうするとプロジェクトにかかる負荷やスケジュールやコスト感がわかる。

1本目にとっておきのゲームは、出さない方がいい。最初はとりあえず、試しでやってみるのがいいと思う。バッカーとの信用が構築きてからやった方がいいと思う。バッカーも最初のプロジェクトよりは経験と信頼を積んでいる2、3度目以降の方が安心できるしね。

初めてのクリエイターは不安だらけだと思います。僕もそうでした。僕もいつも薄氷を踏みながらプロジェクトを立ち上げているので、一緒に頑張りましょう!

現在、山本光夫氏の新作プロジェクト Japanese Ceramic Accessory プロジェクトが進行中(2020年1月21日まで)。

日本のクリエイターによるプロジェクトをもっとみる。





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